さて、定例の通院なのだが、10月から薬局での対応が変わるという事で、先発医薬品を使っている私などは、結構しっかりとしたヒアリングを薬局で受ける事になった。背景は最終段落くらいに書いたけれど、要は医療費の削減をはかるためだ。
「ポイント」
1.薬局の支払い明細に「評価療養・選定医療」と、記載され金額が「330円」追加となった点について、事後Webで確認を行った。
これは、2024年10月より導入された「後発医療品」(ジェネリック薬品)を使わない「先発医薬品」を利用する場合に薬価の「25パーセント」を患者負担とする制度。
[厚労省 Q&Aより]
で、自分も先発薬品を使っているので、調べてみた。
そうすると、先発品の薬価「7.8円×90錠」と「14.9円×30錠」が該当する。
大雑把に云えば、全錠に対してそのまま「25パーセント加算」された事が分かる。
ただ、厚労省のQ&Aサイトでは、先発医療品と後発医療品(ジェネリック)の「差額の25パーセント相当」とある。今回は制度導入直後なので、「差額」ではなく、全額に対して「25パーセント加算」されたものと思われる。次回は約一月後の予定だが、その辺りは確認しておきたい。多分「薬学管理料」の点数分も含んでいるというような回答が予想される。が、まだよく分からない。来月にはこの段落を更新しようと考えている。
今は、この程度の金額で収まっていても、場面によっては状況が変わる事もあり得るからだ。
たかが「300円+税」(330円)とは言え、医療についてはやられ放題というわけにはいかない。対話はできたが、主治医に相談して結論が出たくすりの処方について、同じ話を薬局で行う上、ジェネリック医薬品をなぜ選ぶのか?という根拠を聞かれるので、困ったものだ。
私の根拠は、どこまでジェネリック医薬品の治験を行っているのか?
という、率直な疑問だ。
匿名の専門家ほど、こういうところでしゃしゃり出てきて、「まったく効用も成分も同じ」と断言するが、製造方法や血中に吸収するプロセスが見えない。吸収から血中濃度まで、まったく同じなのか?コーティングによって変わるのか?そういう匿名の専門家が最も「信用ならない」、それは彼自身が服用するわけではないからだ。
そして元来、先発品を継続使用しているのは、その点で「替えが効かない」信頼性を求めているからだ。エビデンスもその場で薬局が見せてくれれば納得がいくのだけれど。
で、これを機に、ジェネリック医薬品の治験についてWEBで確認してみた。
少し以前に、大手医薬品メーカーのニュースがあった事も不信を招いている。
【対談】ジェネリック医薬品の臨床試験は行われているのか?先発医薬品との違いとは 2018.01.01記事より
ひっかかるところがある
「すなわち、投与後、血中に移行して全身に分布する医薬品に関しては、臨床試験は行われていません。これはジェネリック医薬品の承認審査に関する全世界共通の考え方です。」
要は、簡易的な試験(20人ほどの健康成人においてクロスオーバー法で先発医薬品とジェネリック医薬品の常用量を投与し、血中濃度の推移を比較する生物学同等性試験のデータ添付)程度。
人によって変わってくると思うのだけれど、例えば、胃や消化器系の不調をもっているひとは、安心できないという事になる。
「それを気分の問題かもしれない」というのが、一般的にそういうものだ。
という事では、医療が自立的な判断をしているようには見えない。
そういう意味で、総括的に云えば「選択できる余地はある」ので、薬局で問答無用に強制される謂れはない。が、概ね、医師と相談した結果を再度伝えなおして、その理由まで説明するのはよく理解できない。疾患の種類によっては苦痛の上乗せである。
10月以前にも、他の医療機関で受診した後に近くの薬局に行ったときは(約一年前)、制度導入前にも関わらず「ジェネリック医薬品」のみ取り扱い。と選択肢がない薬局もあるのが実際だ。
よく政治家が「丁寧な説明」「真摯な対応」というが、政治はそれを実施した事はあっただろうか?それと似た嫌な感じがしたのは事実だ。
金額だけ見ているのが医療の現状になりつつあるのが、なお医療への信頼や厚労省への不信を招いている。その上、マイナ保険証。別枠のようでそうでもないのだが、また、この件については別の機会に見てみたい。
要は「ひとの健康を金額ではかるものではない」と云う点と、30年前にはとっくに「世代間人口波形は明確なグラフを描いていたはずだ」つまり、団塊世代、団塊二世、が波形のヤマになっており、その間のタニになっているのは、バブル世代とゆとり世代あたりだろう。その順番はしばらく変わらない。
団塊世代の人口が多いのは、戦中に産めや増やせと戦前の政府が号令をかけていたことや、戦中戦後の貧困で働き手としての子どもが多い方が貧しい国で生き延びるのはその当時合理的だったという背景もある。団塊二世は必然的にそのまま波形がスライドするので、多くなるのが当たり前だ。
長年、わかっている事を見ようとしてこなかった政府に、今更何をあわててるんですか?と、後手に回り、しかも有効性がどこまであるかシミュレーションしつくされているかも分からない事に加担させられるのは、民主的ではない。
政府の長年の怠慢の尻ぬぐいを、我々は仕方なく受け入れているというのに、かなりの押し付けを平然とやってのける、その心情がよく分からない。合理性についても、理解しにくい。これからも「場当たり的」に、このようなパッチワーク政策が続いていくのだろうと思われる。
【2024.11.12.追記】
約、一か月後ですね。10月からの薬価基準について次のポイントで確認してみた。
1.先発医薬品のみの存在する場合には、その薬価について定価ベースでの25パーセントが負担対象となるのか?
2.今回の三種類の医薬品のうち、先発医薬品を希望しているのは一種類だが、その先発品の薬価は把握しているが(自分で調べた)、後発品はどの基準で選択されていて、先発品と後発品の差額が明確になっているのか?そうでないと差額の「25パーセント」は導けない。
3.僕はある制度を申請しているが、その制度利用について薬局内で、他の患者にわかってしまうような言動をされるのは少々怖いので、やめてほしい旨を伝えた(約ひと月前に「なぜ、ジェネリックを使わないのか?」と、ヒアリングをしてくれたその薬剤師は今回はいない様子だった。
(意図せずに相手のパンドラの箱をパカパカ開けていくタイプの「ヒト」はいつの世でも存在する。自分でも例外ではないが。)
上記、三点を組織的に共有してほしいとい主意をお伝えした。
※「システムなのか?」「薬剤師の知識なのか?」「制度への理解のあたりなのか?」「私が勘違いしているのか?」
どれも何もわからなかった。
そもそも質問に応じるつもりが最初からない様子ではあった。反応が鈍いので、「いやいいですから」と、そのまま支払いを済ませ、次の用があったので薬局を後にした。要は、これは無駄だとあきらめたということである。■